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日々

まいにち。いや、ときどき。

「予告された殺人の記録」

ガルシア・マルケスの「百年の孤独」にノックアウトされて数ヶ月。新たに「予告された殺人の記録」を読んだ。惚れ惚れとするような完璧な物語だった。

 

『自分が殺される日、サンティアゴ・ナサールは、司教が船で着くのを待つために、朝、五時半に起きた。』

この書き出しの一文でもう私はにやけてしまった!

 

百年〜の方が神話っぽさというか、よりミステリアスさはあるのだけれど、こちらはもう少し硬質というか。タイトル通り殺人がテーマ、しかも冒頭で主人公は殺されているので、結末は1つしかない。殺される、それだけ、シンプル。どうやってそこに至ったのか?みんな散々その殺人が行われることを知っていたのに。犯人たちも殺したくなんかなかったのに。これほど予告され尽くしているのに、どうしてもその殺人が止められない。1つの結末に向けて収束していく。。。おぉー。

 

登場人物がたくさん出てきて、それぞれに濃いキャラクターがあるのは百年〜と同じ、独創的なのも同じ。だから、なんとか殺人事件、的な推理小説とは全然ちがって、心を本を読む喜びで満たしてくれる。彼らが、目の前にいるような 匂いがするような、そんな圧倒的なリアルさがあって、胸焼けしそうになるくらい。何もない白い紙に、そんな世界を立ち上げてしまう、マルケスさんはすごすぎる。