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日々

まいにち。いや、ときどき。

「コドモノセカイ」

そして、「コドモノセカイ」も読みました。

私の大好きな翻訳家の岸本佐知子さんの手がけた短編集です。主人公はみんなコドモ。

岸本さんの選ぶ作品は奇妙だったり、シュールだったり、ユーモラスで、とても独特なものばかりです。でも設定はそうやって変わっているけど、それでかえって核心を突くことをすとんと、さらっと、でもえぐりとるようにリアルに描いてみせてくれる、そんなような物語達なのです。そうそう、たぶんね。だから私は岸本さんの手がけたものは、全面的に信頼しているのだ。

 

コドモノセカイに出てくる子供達はみんな、なんか共感できました。

自分も子供の頃、そういう夢とか現実とかの曖昧な、それゆえ結構今思えば危ない領域に身を置いていたように思います。色々なことが怖かった。謎の行動を取ったりしていた。

 

私はこの本の中だと「追跡」というのがお気に入りです。いや、どの物語も良かったのだけど。ほんとに。

「追跡」は、いかつい女の子がのっしのっしと、何かよくわからない透明な生き物を追いかける話。追いかける中で万引きをはじめ、いろんな悪い事をして、家に帰る。終わり。なんかねー、なんかその見えない生き物が見えてしまう感じがわかるんだよね。(これは妖精が見えるとか、そういう類の話ではありません。)そういう生き物を架空で作り上げてしまって、作り上げちゃったって事も含めてわかってるのに、それに引っ張られて行動してしまう、というあたり。そう、そういうすごく微妙な、限定された心が書いてあるような気がしたのでした。